レビュー

敬愛する大島渚監督から歳を聞かれ、39歳と答えると、 「39歳の誕生日、私はハラハラと泣いたんだな。偉大な革命家のチェ・ゲバラが死んだ歳になってしまった、私は何も成し得ていない」と、遠い目をしていた。

松尾貴史 「松尾貴史が選ぶ今月のシネマ」

Numéro Tokyo 2009年2月号より

いわば、ゲバラの明と暗。双方を貫くのは、堅固な意志と不屈の闘志だ。
死を前にしても、逃げも命乞いもしない。
ゲバラとデル・トロのやむにやまれぬ情熱は、一見の価値がある。
<勝田記者>

2009年1月16日 毎日新聞夕刊

武器を取って戦ったのは、あの時代だったから許された手段だったが、チェの倫理観や思想は時代を超えている。
<勝田記者>

2009年1月14日 毎日新聞 デル・トロ インタビュー

ああ、ゲバラのいた時代・・・・・・。
ゲバラがもし生きていたら丁度80歳。世界は変わっていただろうか。
<北川れい子>

2009年1月5日 At Once

処刑されるゲバラが崩れ 落ちる瞬間は、自分の中から曇りのない理想が消える瞬間なのかもしれない。
<渥美志保>

2008年12月21日 東京カレンダー

キューバ革命についてある程度の知識がないとチト分かり難い。
しかし、確かにそのぶん2部で展開されるゲバラの行動や信念が、より深く理解できる。

2008年12月14日 読売ウィークリー

第1部は、まるでハリウッド映画のように、少ない人数で勝ち目のない戦いに勝った時代。
第2部は、スローモーションで起こる悲劇だ。
このふたつの時期は、鏡に映っているように美しい対極を成しているんだ。
<立田敦子>

2008年12月5日 Figaro Japon ソダーバーグ インタビュー

混迷を深める今の日本、政治・経済の機能がマヒしたような状態の中で、
一般市民はどう生きていけばいいのか。
愛と正義に生きたチェ・ゲバラの生きざまをみて、 何かを感じとってほしい。

みのもんた

真の大作・・・力強い。

ニューヨーク・タイムズ(NEW YORK TIMES)

デル・トロが、情熱的且つカリスマ的なパフォーマンスで魅了する。

ニューヨーク・タイムズ(NEW YORK TIMES)

素晴らしい1本。「チェ」は体験すべき映画だ。

ヴィレッジ・ヴォイス(VILLAGE VOICE)

ムービー・オブ・ザ・イヤー以外ありえない。

LA ウィークリー(LA WEEKLY)

偉大な野望の集大成。忘れられない体験をする。
デル・トロが、堂々たるパフォーマンスで演じきる。

ローリングストーン(ROLLING STONE)

まさに目を見張る偉業。
ソダーバーグ作品の中で最も素晴らしく、興味深い映画だ。
デル・トロは全身全霊をかけた素晴らしい演技を披露している。

サロン(SALON)

「チェ・ゲバラの生涯」

 08年9月のいわゆるリーマン・ショックで始まった世界的経済危機だが、循環的なものではなく、歴史の転換点だとわたしは考えている。金銭的利益だけを優先する企業戦略が破綻したと見るべきで、求められているのは景気回復などではなく、価値の転換であると思う。チェ・ゲバラが、生涯を賭して求めたのは、まさに金銭的利益以外の価値だった。

 人間の精神の自由と社会の公正さ。シンプルで、そして間違いなくもっとも重要なものだった。社会主義イデオロギーを世界に広めるために戦ったわけではない。イデオロギーはツールに過ぎない。

どのような苦境にあっても向上心を忘れず、読み書きできる素晴らしさを仲間に教え、負傷した同志を決して見放すことなく、病気を患った住民を親身になって治療した。

 喘息の発作を起こしながらもキューバとボリビアのジャングルを行軍するチェ・ゲバラを、この映画は初めて現実化した。それは人類の希望そのものだ。わたしはその姿を、決して忘れることがないだろう。

作家 村上龍

ヒーローなんてどこにもいない。自分の中でそれを探せ。

ミュージシャン 宮沢和史

 半世紀前の今ごろ、キューバではカストロの反乱軍が政府軍を追い詰めていた。司令官に引き上げられたアルゼンチン人医師、チェ・ゲバラは、歓呼の中を首都ハバナに入る。だが、旅はまだ半ばである
▼新生キューバの要職を捨て「旅人」に戻ったゲバラ。コンゴに続いて武力闘争を率いたボリビアの山中で、米国が支える政府軍に捕まり、翌日処刑された。39年の生涯だった。去年が没後40年、今年が生誕80年、年明けがキューバ革命50周年とあって、ちょっとしたブームらしい
▼彼の闘いを描いた映画「28歳の革命」「39歳別れの手紙」の2部作が新春、日本で公開される。勝利と敗北、計4時間半の旅に付き合い、優しく一途な素顔に触れた
▼死後は過激派のアイドルにして「Tシャツの顔」の印象が強いが、人間的な魅力あっての伝説だろう。目の前の圧政と貧困を見過ごせず、私を捨て、体を張った一本気。銃への信奉は論外でも、その生き様は時空を超えて心を揺さぶる
▼キューバ時代、海外の同姓女性から「親類?」と手紙をもらい、返事に書いた。「この世で不正が行われるたびに怒りに震えることができるなら、我々は同志であり、そのことの方が重要なのです」
▼《かつて、本気で世界を変えようとした男がいた》。映画の宣伝コピーを裏返せば、正義のために大きく生きる者が少なくなった、と読める。貧しさが地上を覆う今、求められる男は天空の旅に出たままだ。「大きく」をはき違えた妄動は多々あれど、国境を越え、大衆を熱くする顔が浮かばない。

2008年12月20日 朝日新聞「天声人語」